≪最もお洒落なジャンル邦楽編≫
前々回述べたように、アダルト・オリエンテッド・ロックは日本の洋楽史上、最もお洒落でシティセンスなジャンルだが、邦楽界に於いてもこのジャンルを取り入れたミュージシャンは少なくなかった。
第10位「サマー・サスピション」杉山清貴&オメガトライブ
和製A.O.R.ファン全員が熱狂した曲。当時の若者がドライブ・デート時、必ずカーステでかけた曲でもある。ビーチでの恋の語らいにも。

9位「好きさ」安全地帯
玉置浩二率いる安全地帯も上述グループ同様、和製A.O.R.を代表するグループ。元々は井上陽水のバックバンドだった。
歌詞の通り、相手を好きで好きでたまらない愛情表現がこのジャンルの音楽性にマッチしている。

8位「アローン・イン・ザ・ナイト」山崎アキラ
‘80年発売の、若者向き歌謡曲の作曲に定評がある鈴木キサブロー作曲の歌。重厚で且つハイセンスな和製ロック調曲をハスキーヴォイスで歌い上げる山崎アキラ(朗)は、かつてヤマハ・ボーカル・スクールで講師として、デビュー前のピンクレディーに歌唱指導を行っていた。
7位「クリスマスキャロルの頃には」稲垣潤一
A.O.R.が「今は昔」となった’92年発売のドラマの主題曲だが、大ヒットしたことから、A.O.R.は永遠に不滅であることが証明された。作詞は秋元康。
クリスマス・ソングとしては、山下達郎の「クリスマス・イブ」に並ぶ名曲。

‘79年発売の、オリジナル・アルバム未収録曲。オフコースは和製A.O.R.の元祖とも言える存在で、かつて米国でレコードが発売されたこともある。
歌詞、曲、小田和正のヴォイス、全てに胸キュン。
余談だがこの曲はウ○ビデオ「大丈夫じゃないマイフレンド」の挿入曲(当然無断使用)にもなっていた。

5位「ミストレス」横山みゆき
‘83年発売の、不倫をする女性の心情を歌った曲。横山はデビュー曲がアリスの曲だったため、’79年当時「ニューミュージック・アイドル」と持て囃された。が、4年も経つと大人の女性となり、艶やかな気怠さを歌唱やビデオ・クリップで表現している。
4位「フィルム・ガール」小山卓治
‘83年のデビュー曲。歌詞はデビューし立ての女優若しくはモデルを想う、その恋人の心情を歌ったものだが、小山の「若さ」が目立つ。しかし曲はピカイチで、多くのA.O.R.が実質的にはポップスである中、この曲は「ロック」としての威厳を持っている。
尚、オリジナルアルバム(「NG!」)にはシングル・バージョンのものは収録されていなかったが、’07年発売のデジタル・リマスター盤には収録されている。
3位「夜明けのグッドバイ」イルカ
「永遠のボーイッシュ・ガール」たるイルカ(現在孫もいる)がまさか’80年、A.O.R.の楽曲を作曲するとは思いもしなかったが、編曲者が小田和正だけに、A.O.R.カラーがより鮮明となった。
歌詞は夫の不倫に気付かないふりをしつつ別れるも、愛し合った日々自体に「嘘はない」という確信を持っている、という内容。
2位「フォロー・ミー」イルカ
上記曲の翌年に発表された曲で、こちらも編曲は小田和正。歌詞・曲共に上記曲同様の路線。曲の完成度は「夜明けのグッドバイ」の方が高いが、曲調の変化に伴う情感の移り変わりや際立つサビ等、総合的にはこちらの楽曲の方が優れているように思う。
尚、実際のイルカの夫は難病にかかることになる。
1位「TOKYO指紅(ルージュ)」世良公則
これまで何度も取り上げてきた和製A.O.R.の最高峰。この曲が収録されたソロ・ファースト・アルバムの再発を切望する。

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