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Channel: 次世代に遺したい自然や史跡
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愛媛の超とがったミニ岩山三山(お気軽ハイキング)

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[三山とも30分台で登頂可]

愛媛県内に於ける究極の尖峰の内、スーパー低山(標高200m~500m未満とする)一座とウルトラ・スーパー低山(標高200m未満)二座を紹介したい。

 

三座とも麓から仰ぎ見ると、登頂が困難ではないかと思うほど、山頂部が鋭角的に尖っているが、いずれも急登の少ないコースがあり、ハイキング初心者でも登頂できる。

 

(1)  千羽ヶ岳(401.1m)[西条市丹原町]

東温市の旧川内町から西条市丹原町にかけての国道11号沿いに「桜三里」と呼ばれる桜の名所がある。

 

その丹原町千原(ちはら)地区の中山川を挟んだ対岸、千原と丹原町臼坂、丹原町鞍瀬の三地区の境界が重なる地点に、藩政時代より桜三里とセットで、その景観が愛でられてきた景勝地がある。それが県下のスーパー低山一の尖峰、千羽ヶ岳である。

 

そんな千羽ヶ岳は中山川沿いが断崖になっているものの、裏手の稜線を車道が越えており、そこから尾根伝いに歩くだけで簡単に登頂できる。急登もヤブも皆無。

コースガイドとコース図→伊予の低山随一の尖峰・千羽ケ岳

 

(2)  本尊山(187m)[伊予市双海町]

「夕日のミュージアム」で有名な双海シーサイド公園の上灘川を挟んだ北東に、これまた峨々たる岩山、本尊山(ほぞんさん)が聳え立っている。添付写真では今一つその様子が伝わらないかも知れないが、昭和50年代にJR予讃線上灘駅から撮られた写真を見ると、「岩の富士山」たる山容をしている。

 

また、付近の国道から山の西側を仰いだ際、9合目辺りの断崖に鳥居が建っているのが見えると思うが、それは現在、登山口に建つ天一稲荷神社の前身の社である「本尊の宮」が元徳2(1330)から元禄4(1691)迄、山頂にあったため。

 

山頂直下には治承年間(1177~1181)、藤原氏によって由並本尊城が築城された。その後、城主は南朝方の合田氏、北朝方の得能氏と、落城する度に変わり、天正年間には津々喜氏や稲葉氏が城主だったという。

 

が、長宗我部元親の四国統一時に再び落城。その後、豊臣秀吉の四国征伐による小早川隆景の攻撃で再度落城し、歴史を閉じた。

 

その城壁は現在でも残っているが、山頂下方の岩盤はまるで、近世城郭の城壁を彷彿させるような形状をしている(上の写真)。それは自然の形状なのか、築城や城の改修時に加工されたのかは定かでない。

前述の鳥居の箇所や山頂からは、伊予灘から山口県本土や島群の絶景が広がる。

 

松山方面から向かう際、アプローチが分かり辛いかも知れないが、国道378号の南沿いに小字名の「城の下」という看板が現れてほどなく、外壁に○に「共」と書かれた「上灘共栄網」が入った複合施設が現れる。そのすぐ先の左折道に入る。

 

旧道に突き当たると右折。左手に二軒の民家を過ぎると、天一稲荷神社の石段が現れる。石段口の広場が駐車場なので、軽四以外は斜めに駐車すること。但し、元旦や祭礼日は駐車を遠慮すべき。

 

(3)  医王山(130m)[西条市楠と今治市孫兵衛作との境界]

延長約2.5kmの城壁を擁す古代朝鮮式山城・永納山城跡の縄張内に、地形図での標高が100mの岩山、医王山がそそり立っている。この医王山の山腹にも古代城壁が残っているようだが、残念ながらヤブや土砂に覆われて判然とせず、未整備のまま。

 

この山頂部は全てが岩場(下の写真)のため、360度のパノラマが広がる。頂上には確か、旧東予市が設置した三角点があったように思う。その測量時の高度が130.1m

 

登山口は無名峰登山経験がない者にとっては分かり辛いかも知れないが、2分以内で稜線に上がることができる。

 

因みに私は最初、自治体が整備した永納山の二つのコースを往路と復路に利用し、下山後は道路を回って医王山登山口まで行き、山頂を往復し、永納山登山口まで戻るという、歩き甲斐のある回遊コースを取った。永納山の城壁は部分的に確認でき(下の写真)、展望の優れた複数のピークもある。

 

私が登ったのは最高気温が30度を超えた6月下旬だったが、両山共、潮風が吹いていたので、暑さは殆ど感じなかった。コースガイド→愛媛のサギソウ群生地と古代朝鮮式山城跡と超低山の岩山

 

 

ところで、標高1000m以上の愛媛の尖峰と言えば、久万高原町の石鎚スカイライン沿いにある冠岳(1380m)を思い浮かべる。一時間台で登頂できるが、道なきトラバースやガレ場登りがあるため、読図力とルートファインディング力が必要。コースガイドとコース図は→超尖峰・冠岳と大冠岳

 

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