<トトロトンネルや日本屈指の巨大恐竜像も>
過去、高知、愛媛、徳島県のモアイ像を紹介したが、広島県尾道市のしまなみ海道が通る因島にもモアイ像が3体ある。大きさは高知県のものに次ぐ。
そのモアイ像の東方には、日本屈指の大きさを誇る草食恐竜像もあるが、こちらは現在、修復中。それでも頭部と尻尾は見えるため、ビルの4~5階ほどの全高を誇る巨大さを実感することはできる。
どちらもすぐ側まで車で行けるが、しまなみ海道の大浜PAからは、遊歩道が因島大橋記念公園(今回のコースでは省略)経由で恐竜像「ザウルくん」のいる因島アメニティ公園まで繋がっており、そこから近くのモアイ像まで足を延ばすことができ、帰路は短い距離の車道を歩くことにより、回遊ハイキングを楽しむことができる。
大浜PAは四国方面行きでも、尾道本土方面行きでも、どちらのPAからも遊歩道に入ることができる。但し入口の扉は8:00~18:30までしか開閉できないので注意。扉の高さは低いので、乗り越えることはできるが。
四国方面行きの場合は、敷地の北端のしまなみ海道沿いに扉があるからすぐ分かる。尾道本土方面行きの場合は、南の歩道橋を渡って四国方面行きのPAに降りる。歩道橋東部からは瀬戸内海の展望が広がっている。
国道と市道を陸橋で越えると、遊歩道は二手に分かれる。直進道が近道だが、右折して展望台経由で下りる。但し、展望台周辺は木々のせいで展望は想像ほどではない。そこより手前の方が、因島大橋方向の展望が良い。
展望台から展望園地方面の道は通行禁止バーが設置されているため、東の自然の歩道を下るが、途中、トトロのトンネルのような箇所もある。この道はほどなく、向きを北西に変え、因島大橋の橋台に出る。橋台からは、北から西に進み、アスファルト車道に出る。
すぐのY字路は当然直進するが、こんな所にレストハウスがある。そこを過ぎると、大浜崎灯台への遊歩道に右折する。この道の最北部のカーブから、灯台への階段を下りる。
道は大浜埼灯台記念館(旧大浜埼船舶通航潮流信号所)に下り立つ。この、国内で唯一現存する木造の潮流信号所は、布刈瀬戸の潮流や船の往来を信号で伝えるため、明治43年(1910)に建設され、昭和29年(1954)まで稼働した。普段、館内は非公開だが、外から展示しているレンズや道具類を見ることができる。
そこから更に階段が分岐し、大浜埼灯台まで続く。この灯台は明治27年に点灯を開始したが、潮流信号所が稼働すると役目を終えた。灯台手前からは浜に下りられる。
潮流信号所まで戻ると、前述の浜から見えていた検潮所方向に向かう道との分岐に、細島の北方にある長太夫灯標に使用されていた金属製の旧灯籠が露天展示されている。
竹林を抜け出すと検潮所が現れる。これは潮流信号所稼働時、自記検潮器によって潮の高さや流れを測定していた施設。廃止されて長年経つため、桟橋への立入りは禁止されている。
検潮所の解説板の箇所まで戻ると、そこから尾根に向けて斜めに上がる踏み跡を進む。その尾根には大浜崎キャンプ場の幕営台が設置されているが、尾根を上部の舗装された遊歩道まで登る意味はないため、斜面をトラバースする道に進む。
驚くことに、山中の自然の歩道であるのに、道々には照明が設置されている。しかし浜以外で幕営する者は近年、いないのではあるまいか。トラバース道はやがて、前述の舗装遊歩道に出る。
この道は海岸沿いのキャンプ場まで続いているが、その手前からまた北に上がる自然の歩道に入る。北東に張り出した尾根を回り込む地点からは、本コース随一の展望が広がり、検潮所、大浜崎灯台、因島大橋を見通すことができる。このすぐ上にも幕営台がある。
コースはやがて大浜崎キャンプ場の駐車場に出て、因島アメニティ公園の北沿いの道路を西進する。布刈瀬戸の向こうに向島と岩子島を見ながら進み、分岐では、堤防の歩道へ入る。
この堤防道はモアイ像のある「ヘルシーリゾート・サン・グリーン」跡の敷地へと続いているが、途中、3体のモアイ像の横顔が見える箇所がある。しかし敷地沿いの至る所に「私有地につき立入禁止」看板が設置されているため、立入りはできない。
モアイ像を正面から見るため、少し引き返して国道に出て、サン・グリーンの正面入口へと回る。入口には七福神の大黒天と恵比寿天像もあり、微笑んでいる。
御影石で作られたモアイ像は1989年、広島で開催された「'89海と島の博覧会」のサブ会場だった「因島フラワーセンター会場」に展示されていたもので、作者はしまなみ海道が通る大島の宮窪町在住の彫刻家、宮内 宏氏。
写真を撮り終えると国道を東に戻る。アメニティ公園の南側まで来ると、冒頭で説明した修復中の「ザウルくん」がいる。いつ修復作業が完了するのか分からないが、またいつか雄姿を拝みたいもの。
しまなみ海道の高架のやや手前まで来ると、西の道路「白滝フラワーライン」に入る。これを少し上ると、高速バスの「因島大橋」バス停に上がる歩道が現れるので、上り、バス停手前で尾道本土方面行きのPAに入る。四国方面行きPAへは、前述の歩道橋で戻る。
この回遊コースは地形図で見ると僅かな距離だが、展望も良く、行楽客やウォーカーにとっては歩きごたえもあるので推奨できる。→周辺コース図
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