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ミステリアス巨石~四国周辺の奇妙な巨石10選~

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<先史の巨石文明遺構多し>

ミステリアス・シリーズ第5弾は四国を中心に、岡山、広島、三重県の巨石を紹介する。今まで同様、直近2年間に当ブログで紹介したものは除く。また、「ミステリアス」を冠しているように、大きいだけの巨石は取り上げない。

 

(1)  巫女岩(徳島県牟岐町)

人食いヒヒや鬼の伝説のある「鬼ヶ岩屋」(岩名兼、山名)について以前、触れたかも知れないが、この山は兎に角、登山コース沿いに割れ目のある岩石や巨石が多い。

その中の「巫女岩」というものは、形状的には古墳の石室の組み石。しかし古墳にしては内部が狭いため、先史の巨石文明遺構の一つ、ドルメンである可能性がある。登山コースは→巨岩割れ目群・鬼ケ岩屋回遊

 

(2)  臼碆巨石遺構(高知県土佐清水市)

以前、足摺半島は世界一、巨石文明遺構が多い地域で、唐人駄場には昭和50年代前期まで、西日本最大のストーンサークルがあったことを述べた。臼碆巨石遺構もその一連の遺構の一つである。

奇岩怪石的形状のものもあるが、特に写真の巨石遺構は、まるでバースデーケーキをナイフで切ったような形状。数千年以上前、そんな切断技術があったのか。

また、石の表面にマークのようなものを刻んだ巨石も複数ある。当遺構は四つのエリアから成り、探訪は往復約1時間。

(3)  高山ニシノミヤ巨石遺跡(愛媛県大洲市)

かつて「東洋一のメンヒル」と言われた遺構で、高さ4.8m、幅2.3mを誇る。大洲市も先史遺構が多い地域で、ストーンサークルやメンヒル、ドルメン等、巨石遺構が数多く発見されている。→公式サイト

(4)  鉾岩(西予市)

以前説明したが、この鉾岩は一見すると自然の岩のように思える。しかし実際は、麓にある「机石」と対になった先史の巨石信仰の祭祀遺構とされる。

高さ10mの鉾岩がメンヒル(人為立石)で、机石はドルメン(卓状石)であり、机石は鉾岩を神体とした遥拝所なのである。詳細記事→西予市の巨石信仰のドルメンとメンヒル

 

(5)  三つ岩(香川県宇多津町)

圓通寺が戦国時代まであった地にある遺構。高さ2mほどの巨石で、二つの台石の上に載せられ、その下をくぐることができる。

細川頼貞(義阿)の墓であるとも言われているが、墓にしては不自然で、これも巨石文明遺構とする説が信憑性あり。

 

(6)  御膳岩(宇多津町)

この岩も以前説明したが、宇夫階神社境内にある、高さ5.5m、幅4m、推定重量300トン以上の巨石。ここは神饌を捧げていた磐境。これも巨石文明遺構で、御膳岩は根石ではなく、台座の上に人為的に載せたものである。

以前紹介した土佐清水市の1,000トン級の「灘の大岩」も同様に人の手により、設置したものであるから、先史文明者にとっては、300トンの巨石は「軽い物」だったのであろう。→公式サイト

 

(7)  岩屋石(三豊市)

過去、社殿や堂宇が岩屋と一体化した寺社をいくつか紹介したが、妙見宮は岩屋の組み石が巨大すぎるため、岩屋ではなく、岩窟隧道的洞穴「開運の洞穴」となり、入口と出口が違う場所にある。

この岩屋の天井石「岩屋石」も巨大で100トン以上あるものと思われる。社殿は昭和9年の建築だが、昭和の南海大地震時、石も社殿もびくともしなかった。

 

(8)  鬼の差上げ石(岡山県総社市)

これも以前紹介したと思うが、なぜかブログ内検索に出ない。鬼の差上げ石は岡山桃太郎伝説の史跡の一つ「鬼の岩屋」の天井石なのだが、岩屋の組み石の形状は超古代のドルメンである。

鬼の差上げ石は縦15m、横5m、厚さ5m、推定重量150トンという巨大さ。この巨石を組み上げた巨石文明の技術者たちは、「鬼」と畏怖されていたのかも知れない。→紹介サイト

 

(9)  岩屋巨石(広島県尾道市)

これも以前紹介したが、しまなみ海道・向島の岩屋山一帯にある巨石群の一つ。当方が訪れた頃とは異なり、今では各所に案内板が設置され、「尾道の古代ミステリーゾーン~隠された神話~」と言うことで、尾道に於いてはメジャーになってきた。

 

その神話と言うのは、天岩戸神話のこと。岩屋の裏に回ると、岩が二つに割れているのだが、割れ目の東から夏至時の太陽が昇り、西側に冬至時の太陽が沈むように「設計」されているのである。

このことは、太陽神、天照大神が岩屋の中に隠れる神話を表現しているものであり、ここの岩屋がその舞台である、と、されているのである。また、元々この岩屋は扉石により、塞がれていたとも言う。

この岩屋石も100トンはあるように思われる。→公式サイト

 

(10)負れ石(三重県菰野町)

この石は以前、「巨大カロリーメイト」として紹介したと思う。「鈴鹿セブンマウンテン」の一つ、御在所岳(1212m)周辺にも巨石や奇岩怪石が多い。

中道コースの標高840m前後の地に、カロリーメイトに似た二つの巨石が折り重なるように立っている。下の石が上の石(全長13m)を負ぶっているように見えることから、「負(おば)れ石」と呼ばれるようになった。

 

地質学関係者はこの巨石を根石、つまり、元々、この二枚の石は地中にあり、長い年月をかけて石を覆っていた土が消失し、石が地表に出てきたもの、と見ているが、超古代研究者の中には、巨石文明遺構とする者もいる。

 

探訪は、往路は御在所ロープウェイで山上公園駅まで行き、帰路、中道コースを徒歩で下ると楽。→御在所ロープウェイ

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