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絶景!白龍湖の青と天狗高原の黄(津野町)

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【にこ渕や水晶淵に匹敵する鮮やかさ】

高知県はにこ渕や水晶淵、海老洞(やど)という風に、水関連のSNS名所が多い。近年は津野町の不入山西方の国道439号沿いにある白龍湖も水面の色が神秘的であると、ネットで話題になっている。

 

一方、その北方の愛媛県境に広がる日本三大カルストの一つ、四国カルストの天狗高原には、現在、以前紹介したアナグマの写真に写る黄色いハンカイソウの群落が咲き誇り、高原の緑を黄色く染めている。

白龍湖の入口の国道沿いには何メートルもある巨大な「交通安全四三九狸」と元々は展望塔だった四角い龍のオブジェがあるから、この場所自体はインターネットが普及する’90年代以前から知られていた。

 

しかし特に目立つ看板もないため、観光等でこの国道を走行するドライバーやライダーたちはやや不気味に思い、通り過ぎていた。が、一旦、白龍湖の写真がネットにアップされると、その神秘的美しさから、一気に人気に火がつき、SNS等で拡散されていった。

四角い龍のオブジェの北西に無料駐車場も整備されている。龍のオブジェは一階と二階部分には入れるが、何もないがらんどうで、屋上の展望台部分には、梯子が朽ちてなくなっているため上がれない。

 

この展望塔に上がれなくなってから、国道を挟んだ南西に新たな「狸展望台」ができたが、特に白龍湖が望める訳でもなく、国道や四万十川水系の北川川沿いの山体しか望見できない。

 

白龍湖入口から敷地内に入ると料金箱がある。ここに協力金として100円入れると、横に置いている各種絵が描かれた小石を貰うことができる。

 

当方はトトロが描かれたものを貰ったが、この北川川沿いと不入山系にはトトロが棲んでいても可笑しくない。実際、狸に化かされた話は複数ある。

白龍荘前から東に下り、突き当りを左折して北西に下っていくと眼下に湖という名の池が見えてくる。この白龍湖、にこ淵や水晶淵に匹敵する水面の碧さを誇るものの、驚くことに人工の池。

 

池底の石灰岩等から染み出す地下水を堰き止め、造成しているのである。不入山には四万十川源流点があることから、ここの水も澄み切っている。

道は池が見えてきた箇所で二手に分かれ、周回できるようになっているが、右折して池面を見下ろす展望台から下った方がより景色を楽しめる。

 

陸橋の白龍1号橋の先にある展望台から白龍湖を見下ろすと、湖の中心部の岩を中心に、橋が三方向のY字型に架けられており、湖上とその周辺も周回できるようになっている。

湖底の二ヶ所から地下水が出ているのが確認できるが、それがまるで水の柱のようになっている。「白龍湖の水柱」としてSNS映えしそう。

 

湖畔の白龍2号橋袂から湖面の白龍4号橋へと入る前に、料金箱に100円を入れ、鯉の餌を手にして、湖を泳ぐ鯉に与えても良い。また違った写真も撮れる。

橋が分岐するYの字の中心に来ると、右折し、白龍3号橋を渡り、対岸に渡ると左折する。すると前方に通り抜けできる洞穴「白龍洞」が現れる。

 

海岸で通り抜けられる海食洞は時折見かけられるが、山間でこのような洞穴は珍しい。当方も去年紹介した岡山県の羅生門以来である。この白龍洞も史跡指定されても可笑しくない。

白龍洞を抜けると白龍5号橋でまたY字の中心部に戻り、再び2号橋袂に上がると、そこから蛇渕へと下る。蛇渕は北川川にできた渕で、昔、この付近に人々に害を及ぼす大蛇がいた。

 

そこで芳生野の庄屋は越知面太田戸に住む鉄砲の名手に、渕の近くの鹿垣を守るよう、依頼した。大蛇と聞くと鉄砲の名手であっても臆すると庄屋は思ったため、鹿狩りをするよう、嘘の依頼をしたのである。

しかしそこは鉄砲の名人だけあり、見事大蛇を撃ち取った。その大蛇は上流の対岸の平坦な所で三日三晩焼いたという。そこは今でも草木が生えず、黒ずんでいるという。

 

白龍湖の探訪を終えると国道を北上し、四国カルストへと移動する。四国カルストは仁淀川町の鳥形山から西予市の源氏駄馬及び大野ヶ原までの25kmに及ぶ山稜を指すが、核心部は東から県境の天狗高原、五段高原、姫鶴平、源氏駄馬とその北方の大野ヶ原になる。

観光施設は天狗高原に天狗荘とキャンプ場、姫鶴平に姫鶴荘とキャンプ場、大野ヶ原にポニー牧場や各種飲食店(ソフトクリーム取扱店が多い)がある。

 

ハンカイソウの群落があるのは天狗高原の西寄り。天狗荘から西進していると、左手一面が黄色く染まる場所があるからすぐ分かる。

 

群落を見る遊歩道入口に駐車スペース(上図)はあるが、10台弱ほどしか駐車できない。満車の場合は、道路の幅員が広がる五段高原まで進むしかない。

 

因みにこの県道383号は近年、いの町のUFOラインや仁淀川町の林道上名野川線同様、ネットでは「天空の道」と呼ばれている。

遊歩道入口の標高も1430m弱あり、空気はひんやりとして避暑に最適。群落内は柵があり、入れないが、広大なカルスト高原を遊歩道は大きく周回している。

 

しかしこの群落、一体何万本、いや、何十万本あるのか。その中に黒牛が寝そべっている。柵は黒牛の保護のためでもある。

遊歩道の最高所付近の見晴台には展望台があるが、一組の家族が入ると一杯になる。勿論、一帯からはパノラマが広がっている。晴れた日には室戸岬まで遠望できるという。

 

展望台から東に下る遊歩道(再整備中)は、なかなか県道に合流しないが、途中のショートカットする小径は膝上までの笹があるため、一般観光客は辿る者があまりいないが、ハンカイソウもない区間ではこの小径を辿りたい。

 

姫鶴平は観光客でごった返しており、駐車スペースから車が溢れるほど。岡山や関西ナンバーの車も何台もあり、まるでコロナ前のお盆のよう。日本三大カルストの一つ、山口の秋吉台よりも四国カルストの方が近いからか。

当方は賑やかな場所が苦手のため、地芳峠へ行き、そこから小牛城[こぎゅうがじょう](1143m)に登り(15分ほど)、山頂で展望を独り占めしながら弁当を食べた。寒がりの当方は天狗高原より、ここ位の標高の涼しさが丁度いい。

 

是非この週末、津野町で青と黄の絶景を堪能されたし。

白龍湖と四国カルストを楽しみたい、という方は下のバナーを是非。


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