≪長く伸びる恐竜の背のような岬尾根≫
これまで、高知県一兼四国一の絶景「大堂海岸(四国のみちよりの竜ノ浜沖の眺望)」、香川県一の絶景「紫雲出山(山頂からの展望)」、徳島県一の絶景「千羽海崖(嵐瀬休憩所近辺からの景色)」を紹介しましたが、愛媛県一の絶景と言えば「由良山からの展望(支尾根岬の景観)」ということになります。
由良山(249.1m)とは、宇和島市と愛南町
の境界を成す、東西7キロに及ぶリアス式海岸を擁す由良半島最高峰の一等三角点峰のことです。絶景は山頂ではなく、その手前の尾根上にあります。但し、そこに至るには、尾根道を2時間ほど歩かなくてはなりません。
また、半島突端の由良岬(ゆらのはな)手前には、戦艦大和の生き残りが多数送られ、配備についていた、四国の海軍防備衛所の中では最大規模を誇る、佐伯防備隊由良崎防備衛所跡があり、今でも洞穴型大砲陣地、迷彩色が残る偽装兵舎、発電所、
半地下式二階建て聴音所、見張所等が残置し、威容を誇っています。尚、発電所や聴音所はGHQの指示による爆破跡が生々しく残っています。
今回は飽くまで絶景の紹介につき、戦争遺跡の解説はしません。興味がある方は拙著を。
この衛所跡とそこに至る山道は地形図「魚神山(ながみやま)」に記載されており、ヤマケイ出版「愛媛県の山」にも収録(登山口
の写真もあり)されていることから、愛媛県内のハイカーの間では有名。

登山口は半島を貫く道路終点の1キロほど手前、右カーブの箇所。本谷集落の数百メートル手前、右手に分かれる林道(車の走行は厳しい)が上り口で、ほどなく古道に変わります。
稜線に出ると後は痩せ尾根の尾根道を南下するの
み。登山口から1時間半ほどで、峠に達しますが、由良山へは北西へ稜線を進みます。そこを道なりに南西に下って行った終点にあるのが衛所跡の施設群。
由良山山頂の200m(距離で)ほど手前の標高230m地点から、県一の絶景である、116mピークを擁す、恐竜の背のように切り立った支尾根の岬と小猿島が望めます。
その岬に打ち寄せる波の音も心地よく、時間の経つのも忘れてしまいます。因みに聴音所跡からも視界いっぱいに豊後水道が広がっています。
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