以前、標高1700m以上の四国の山岳標高ランキング記事を投稿した折、四国の無名峰の最高峰が石鎚山系西ノ冠岳(1894m)と二ノ森(1929.2m)との間にある三ノ森(1866m)であることを述べた。
この山に登頂しない限り、「無名峰ピークハンター」を自称することはできないと言える。
そこで述べた責任もあり、先日、道なきルートを登頂して来たので、紹介した
い。
この山の登山ルートは三ルート考えられる。まず、石鎚山土小屋コースから二ノ森への縦走コースを辿り、途中から山頂を目指すルート。
二番目は去年解説した四国最大の滝、高瀑から踏み跡を辿って西ノ冠のコルに出て、前述の縦走路に合流するルート。
三番目は石鎚山面河コースを登り、1551
mピーク若しくは愛大(愛媛大学)小屋辺りから尾根上を辿って、山頂へ直登するルートである。
このルートの内、山頂との高度差が小さいのは土小屋ルート。高瀑ルートも石鎚林道が復旧していたら有望ではあるが、急登続きとなる。
つまり、最も登り易いのは、土小屋ルートということになる。
石鎚山土小屋コースは有名故、敢えて解説する必要はないが、途中の高
度計修正のため、三ヶ所(各所にベンチがある)に設置されている休憩所の位置を簡単に述べる。
まず、第一休憩所は鶴ノ子ノ頭(登山道なし)を巻き終えて尾根に乗った地点。解説板
があり、南尖峰の眺めもいい。標高は1550m。
第二休憩所は市販の登山地図にも記載されているが、場所は1677mピーク東のピーク。囲炉裏風に四角に組んだベンチがある箇所。標高1630m。
最後の第三休憩所は東稜の取付き点。標高1660m。東稜コースはザイルを要す。
二ノ鎖元小屋(現在、小屋は撤去されている)で成就社コースに合流。そこからは階段が続くが、途中の「面河」と「二ノ森」と記された道標のある三叉路で、その道標方向に右折する。これが縦走コースである。
面河下山道と二ノ森縦走路との分岐に
は道標があるが、縦走路は踏み跡程度なので見逃さないように。私はその三叉路から少し入った地点から稜線に乗り、胸ほど笹藪を漕ぎながら北岳(1920.6m)へ登頂したが、体力を消費するのでお勧めできない。
北岳に登るには縦走路を先に進み、山頂の南下から笹の斜面を四つん這いで這い上がるしかない。山頂自体は藪がなく、展望も優れている。
西ノ冠のコル(西ノ冠岳南の鞍部)から先の縦走路は、地形図の破線とは異なるルートとなる。登山地図のコースとも若干異なる。
コルからは笹に覆われた悪路になるので、隠れた倒木や石に注意しながら進みたい。
最初のピークを巻き終えると尾根沿いを通り、次のピークを巻き終えると一旦尾根に乗った後、再び巻道となる。
小ピークを山頂と間違えないよう、高度計を確認しながら進んで戴きたい。
山頂の真北位に達すると、左手上の折れた木の幹にサンダルが引っ掛けられており、少し手前には赤テープが付けられており、針葉樹帯の中へ導いている。
私と同じ登頂ルートを選ぶとは、この者は相当な読図力を持っていることが分かる。
道はないが、斜面を3分ほど登れば稜線に出る。ここからが笹の藪漕ぎになるが、山頂は目と鼻の先。途中、1m弱位の笹に隠れた立石があるので、特に帰路は注意を要する。
山頂が近づくと笹の背は低くなっていき、ほどなくきれいな笹の三叉路になった山頂に達する。私が登頂した日は雨天だったが、天気が良ければ大展望が広がるはずである。山頂直下の斜面には白骨林が目立つ。
三ノ森のルート図はヤマレコに投稿しているので参照されたい→こちら。
国道33号から石鎚スカイラインを辿る場合、面河渓以外での単独の滝というと、33号沿いに大きな看板が出ている権現の滝と記念の滝が挙げられる。
前者は久万高原町の旧柳谷村柳井川の面河第三ダム南にある、龍宮大橋袂に看板が出ている。滝は夜鳴川の支流に懸かっているが、夜鳴橋手前の解説板のある向かいの路肩に駐車し、橋を渡った先の林道の三叉路を、前方右に上がる。
数分で滝の水飲み場に出るが、滝を見ようと思えば水飲み場の先の岩の左横から這い上がらなくてはならない。落差は40mほどだったと思う。水しぶきが激しく、カメラのレンズが濡れてし
まう。
記念の滝へは国道に引き返し、3キロほど高知方向に走ると看板が出ている。しかし滝の遊歩道前には、駐車スペースが一台分しかない。
上流の歩道の橋西のヘアピンカーブ上の駐車場は、見物用か私用駐車場か不明。手前の国道沿いのヒメシャラ休憩所に駐車して歩いても遊歩道入口まで数分ほどである。滝の落差は20m弱ほどだったか。こちらも飛沫が飛んでいるが、権現の滝ほどではない。
[国道194号沿いの滝]
西条市方面から国道194号を南下し、旧寒風山トンネルを抜けてからUFOラインを西進し、土小屋に向かう場合は、西条市津越の「津越の滝」がある。津越の滝とは、鮎返りの滝、雌滝、雄滝の総称だが、’04年の豪雨以降、最初の鮎返りの滝から先は通行止めとなっている。
国道11号から194号に折れ、緩い右カーブを過ぎると左手に船形橋が現れるので、これを渡る。すぐ船形小橋を渡り、五差路を東に折れる。因みに五差路西が194号の前身、加茂土工森林組合トロッコ馬車軌道の終点である。
道路を東進していくと津越の滝駐車場が現れる。
馬車軌道の解説もしてほしい、という方は次の二つのバナーをプリーズ・クリックon

