毎年、桜の開花が最も早い県の一つが高知県(標本木は高知城公園)だが、県屈指の桜の名所の一つでは、既に散り始めている。それが例年2月中旬から3月中旬まで見頃の須崎市桑田山(そうだやま)の雪割り桜である。
正式名称は椿寒桜で、70年ほど前、松山市から分けて貰ったのを接ぎ木し、今では1,000本ほどにまでなっている。
昨日はまだ人出があったが、今週末には殆
ど葉桜になっていることだろう。
ただ、この雪割り桜はあまりにも有名なため、本来なら当ブログで紹介するべきではない。但し、その桜が桑田山(蟠蛇森の中腹)のどの辺りまで植栽されているのかを正確に把握している者は、市外者ではいない。そこで、桜の最上部に登ってみようと思った訳である。
私が蟠蛇森に車で登ったのは'90年代で、当
時は、国道494号の蟠蛇森の歩行者用の登山口南の道路から登った。しかし近年は、そこよりかなり手前に道路標識があり、別の道路を上がるようになっており、桑田山神社南方に出ているようである。
その神社の石段口に最初の駐車場がある。料金は一回300円で料金箱に入れるようになっている。
二番目に現れる駐車場(同じく300円)がメインの場所で、期間中は寿司や餅、おでん等を販売する店も出ている。
私は山間部に於いて駐車場代を払うことに違和感を覚えたため、住宅街を抜け出した所の車輛待避所に駐車した。
その斜め向かいに山道が上がってていた
が、これが蟠蛇森の登山道ではないかと登ってみた。すると登山道沿いの随所に雪割り桜が植栽されている。
私はこの登山道沿いを登って行けば、行楽客が来ない静かな桜見物ができるのではないかと思い、登ってみたが、案の定、道沿いに次々と桜が現れた。観光客の姿は皆無である。
適当に登り、車道を横断して行くと、蟠蛇森
登山道の朽ちた道標があった。野良仕事をしていた近所の住民に尋ねてみると、道の整備は全く行ってないから荒れている、ということだったが、実際、辿ってみると殆どヤブはない。道沿いの畑のみかん農家の人らが登っているからだろう。
桜の最上部下の道路まで上がると、左手にベンチが置かれた展望ポイントがあった。須崎工業高校の生徒が設置したようである。
蟠蛇森登山道はすぐ上の送電鉄塔に向け
て上がる歩道のようだが、最上部の桜は道路の東方にある。
その東の道路沿いにも桜が植わっている。東方に進むとほどなく別の鉄塔の標柱が現れ、その歩道を辿ると、最上部の桜群へと到達することができた。下の駐車場辺りと比べるとはるかにこちらの方が展望がいいが、人っ子一人いない。地元民もあまり来ないようである。
一番高い所にある桜を確認すると、その手前の道路下にもあった桜群を鑑賞し、再び元来た道を引き返し、最も賑わっていた店のある所まで、道路をショートカットする歩道を、蟠蛇森登山道とは関係なく、適当に下って行った。
そして駐車場側の店で寿司でも食べようと思ったが、もう16時になっていたので売り切れており、仕方なくおでんを食べた。
花は散り始めているが、あと数日ほどは何とか楽しめるだろう。
アクセスは高知自動車道須崎東ICを降りて左折、国道56号から国道494号に入ると、ほどなく左手に前述の道路標識が現れるので、それに従う。
蟠蛇森登山道の各入口(車道を串刺しする形で)の道標は、朽ちてなくなっているケースがあるが、下から最初にどの辺りに桜が植栽されているのか、ということは分かるので、適当に上ると良い。
参考となるガイド書はヤマケイ出版の「高知県の山」や高知新聞社刊の「山と野原を歩く」。後者の本では坂本龍馬の脱藩の道・朽木峠からのコースが記載されている。
店のある駐車場は標高150m辺りで、桜の最上部は380mほど。地形図は「佐川」。
今年もまた、ソメイヨシノやヤマザクラの無名開花地を紹介してほしい、という方は次の二つのバナーをプリーズ