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魚梁瀬森林鉄道西谷線(5・完)

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[橋脚も木造の橋梁]林道を横断した先の廃線跡
西谷林道の横断地から北方にやや下ると、西谷11林道(当方が独自ルートを見出した鐘ケ龍森登山口に至る)との分岐手前にゲートが設置されているのが見えると思うが、このゲートは’04年夏の台風が襲来するまでは、地形図に記載されている高善森登山口よりまだ奥にあった。ゲート手前の沢の上流に前回触れた、木造橋梁が残っているのである。



それはさておき、横断地先の藪の中に、林木造橋梁 道より一段高い平坦地を見つけると、それが廃線跡の続きである。林道からの明確な踏み跡は残ってなかったように記憶しているが、廃線跡自体には藪があまりない。



廃線跡は山襞に沿って、北東から東に進み、更に左にカーブすると前述の沢に達し、全国的に見ても貴重な木造橋梁が姿を現す。全て木造であるから当然橋脚も木造である。但し、沢が浅いため、高さはあまりない。

木造橋で木材を積んだ機関車林道の右急カーブ先の上り口 を支えきれるのか、とも思うが、以前紹介した石原満俺軌道もこの何倍もの規模の木造陸橋が設置されていた位故、そんな心配は無用なのだろう。



橋は廃墟のように辛うじて姿を留めているものの、木材は当然腐っており、渡ることはできないので沢を渡渉する。

対岸に渡ると一気に藪化が進行していたように記憶している。



一旦藪で歩ける場所が狭まった区間を抜けると、左手がなだらかになった藪の扇状地(ただの緩傾斜の斜面だっ縁が補強された廃線跡 たかも)のような地形になったと思う。そこを抜けきろうとする辺りで藪が深くなり、藪漕ぎ不可となった。

さきほどの扇状地まで戻ると、南西方向に緩やかに下る藪化した作業歩道があったと思う。これを下ると前述のゲートの北側に出た。廃線ルートは西谷11林道の東に並行して宗ノ上川沿いを遡っている。



林道を歩きながら東側を目で追っていると、時折、斜面の上部に路盤の石垣が見え隠れするが、503m独立標高点の北方辺りで、廃線ルートは11林道に合流していたのではないかと思われる(若干記憶違いかも知れないが)



503m独標点から二つ、顕著な谷を過ぎた先で、廃線ルートは右ヘアピンカーブを枕木 描いて林道から離れ、反転していくはずだが、林道から見る限りでは、斜面に痕跡は認められない。

が、その更に先の林道の右急カーブ部を過ぎると斜面を南西に上がる踏み跡があった。これを辿るとすぐ藪のない廃線跡に出た。



最初は北東に進んだと思うが、ほどなく引き返した。藪化したので引き返したのかどうかは覚えていない。

逆の南東に進んで行くと、枕木が残インクライン制動機 る箇所があったと思う。

ルートは、503m独標点北の谷の手前に出ると、一旦北東にその谷沿いを少し遡った後、右急カーブを描いて反転し、谷を下るようになるが、現地の廃線跡の記憶は薄らいでいる。



恐らく、路盤が崩落するか藪化するかして、右急カーブ部までは辿れなかったと思う。そこでUターンしてきた下段の廃線跡が最も接近した箇所から斜面を下って、その下段の廃線跡に下り
立ったと思う。宙吊りレール

が、こちらの廃線跡も北東に下るに連れ、藪が深くなり、前述の林道合流地まで辿ることができない。故に仕方なく斜面を適当に藪漕ぎして林道に出た。そして駐車場所へと戻った。



その次は日を変え、前述の林道の右急カーブの北方の沢まで行って駐車し、そこから藪に分け入り、廃線跡橋台を横切り、沢沿いから適当に斜面や尾根を上がり、730m独標点北東の横道(造林歩道)の三叉路に出た。橋台から廃線跡を辿らなかったのは、すぐ廃線跡が藪化するだろうと思っていたからで、横道に出たのは、インクラインで高度を上げた上段の廃線跡の南端に出るためである。



横道から上段の廃線跡に出ると、以前写真を紹介したインクライン制動機や宙吊りレール箇所を経て、廃線跡の途中から西谷林道へ上がり、林道終点か水没枕木 ら鐘ケ龍森に登頂、帰路は廃線跡まで引き返すと、そこから林班境界沿いを下ってインクライン下部の起点である下段の廃線跡終点に出て、水没(沢から溢れた水で)枕木を経て西谷11林道終点へ下り、駐車場所へと戻った。上段の廃線跡の北端(終点)まで行かなかったのは、例え終点まで行っても特に何かの施設跡がある訳ではないだろうと思っていたことと、この日の目的は鐘ケ龍森登頂にあったから。



この日のコースガイドとコース図は去年、ヤマレコに投稿しているので参考にされたい。→魚梁瀬林鉄西谷線廃線跡から鐘ケ龍森

また、馬路村中心部から細井谷を経て、鐘ケ龍森西部(地形図に記載の破線)まで達していた魚梁瀬森林鉄道朝日出線廃線跡については去年、三回に分けてヤマケイに投稿しているので、まだ見てない方は参考に。→

魚梁瀬林鉄朝日出線廃線跡(1)下段部

魚梁瀬林鉄朝日出線廃線跡(2)中段部

魚梁瀬林鉄朝日出線廃線跡(3)上段部


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