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架橋された九島・宇和島富士のスーパー霊場

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去年末、宇和島市・槙の山の超ハード霊場を紹介したが、去年宇和島本土と架橋された九島にも、最高所の標高が僅か320mでありながら、一巡するのに6時間近くかかるスーパーミニ霊場が存在する。それを「九島二十四輩霊場」という。

 

「二十四輩(にじゅうよはい)(略称「よはいさま」)とは、親鸞聖人の高弟24人よって開基された関東、北陸の寺のことで、明治初期、九島島民が「地四国」(ミニ四国霊場)に倣い、島の最高峰で今年の干支の山でもある鳥屋ヶ森(320m・「九島山」や「宇和島富士」とも言う)を中心に、島の西部を一巡する二十四輩霊場を設置し、45ヶ所に石仏を配した。

 

霊場参拝コースは、槙の山の地四国のように、目まぐるしく小刻みにアップダウンを繰り返すことはないものの、一旦鳥屋ヶ森の中腹まで登って反対側の海辺まで下り、また別コースで中腹まで登って逆の海岸へ下る、ということを2回繰り返しており、山頂へも極力遠回りして上るルートになっている。

それだけに体力と時間を要し、健脚家でないと一巡することは難しい。

 

そんなこともあり、昭和後期以降、この霊場は廃れていき、参拝道もヤブ化していった。が、1990年代末頃、島にUターンしてきたある方がこれを憂い、他の島民にも呼びかけ、再整備した。これは’90年代の全国的な中高年登山ブームが影響しているのかも知れない。

 

しかしその方の熱意も虚しく、現在、参拝道は二ヶ所がヤブのジャングルと化し、鳥屋ヶ森山頂からの展望も失われつつある(下の写真)。去年、本土と陸続きとなり、参拝順路起点近くに参拝コースが記された観光案内板が設置されたのに残念なことである。

 

勿論私は、そんなことは実際、参拝道を辿るまで知らなかったことで、ヤブ化箇所は強引に突破して行った。一応、その二ヶ所のヤブを回避するルートもあるが、10ヶ所の石仏をとばすことになる。

 

が、そのヤブ箇所は僅かな距離故、ヤブ山登山経験者であれば、突破は難しくない。

山頂からの展望もかつてと比べると悪くなっているものの、宇和島市街地はある程度望め、また、参拝コース沿いには島一番の展望所等、複数箇所の展望ポイントや奇岩、石の洞穴等があり、周囲が海に囲まれているだけに、所々海原の展望も開け、一服の清涼剤となる。

 

ヤマケイサイトに参拝コースガイドとコース図を投稿した(架橋島の宇和島富士は超ハード廃道霊場)ので、興味のある方は参考にされたい。尚、詳しい参拝コース図については、ネット初公開になる。

 

今後も各種ミニ霊場を紹介してほしい、という方は次の二つのバナーをプリーズ・クリック

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