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愛媛県の鍾乳洞四景(休止サイト投稿)

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[冬は鍾乳洞が暖かい]

前回の記事で述べたDeNA傘下の詐欺旅行サイト「ファインドトラベル(Find Travel)」へは当初、違法サイトであることを知らずに一回だけ、「まとめ旅行記」を投稿したことがある。

 

旅行記のタイトルは覚えておらず、記事原稿も紛失しているが、「愛媛の地下世界鍾乳洞五景」のようなタイトルで、羅漢穴(愛媛県最大の石灰洞穴・羅漢穴)、穴神鍾乳洞、大川鍾乳洞(「四国の戦争遺跡ハイキング」に収録)、大屋敷鍾乳洞(「ナニコレ珍百景」で放送の内子町の無名鍾乳洞・後編)、黒瀬川鍾乳洞を紹介したと思う。

 

鍾乳洞=夏、というイメージを抱いている方が多いと思うが、羅漢穴のような高所の鍾乳洞を除き、普通の鍾乳洞内の冬期気温は大体13度前後。これは高知市等の冬期の平均的一日の最高気温とほぼ同じ。つまり、屋外にいるより暖かい。

 

有名な安森洞を記事に入れなかったのは、鍾乳石があまり見られないため。ただ、水流のある洞内コースを、長靴を履いて遡行するようになっており、これはまた違った魅力がある。故に今回、穴神鍾乳洞、黒瀬川鍾乳洞、大川鍾乳洞と共に簡単に紹介したい。

 

(1)  穴神鍾乳洞(西予市城川町)

洞長:75m

 

現在、県唯一の有料観光鍾乳洞となっているが、入洞料は200円とお手頃。

洞内は一方通行で、入口横には溶食痕があり、出口手前には発見当時、日本最古だった約12,000年前の縄文時代初期の微隆起線文土器や石鏃、貝殻を使用した装身具等が出土した穴神洞遺跡がある。

 

元々この遺跡のみが知られており、そこから奥に長い鍾乳洞が続いているのが発見されたのは昭和44年と、歴史は浅い。

 

竪横複合洞で階段が随所に設置されているが、天井近くから流れ落ちる滝のような地下水を間近に見ることができる(1枚目写真)。

また、大小の氷柱石、石筍、石柱、カーテン、ベルホール等の生成物が見事で、それぞれには俗称が付けられている。中でも最も美しいのは、「宝殿」という箇所(下の写真)。

 

(2)  黒瀬川鍾乳洞(上記と同町)

洞長:300m

 

「四国西予ジオパーク」の指定ポイント(名所)から漏れた不遇のマイナー鍾乳洞だが、向かい岸の国道197号沿いに解説板だけは建っている。

 

川岸の断崖に開口する横穴鍾乳洞だが、装備なしで立って歩ける区間は数十メートル以下。それでも氷柱石の「卵」とも言える、石化した水滴が無数にある天井(下の写真)やフローストーン等、見所はある。

ケイビング装備をして四つん這いや腹這いで奥に進むと、真っ白な石灰華で覆われた壁があるという。

 

コウモリがこちらに向かって飛んでくるが、愛媛では珍しいユビナガコウモリの大群が棲息しているほか、約40種の昆虫やコウモリ類が確認されている。

 

場所はネットでも公開されているが、実際はそこよりやや下方。

国道197号、城川町下相のバス停「奈良の木」のやや西方のY字路を南西に折れ、黒瀬川を渡った対岸道路の最高所の三差路(最初に現れる三差路)が入口。そこに駐車する。

 

薄い踏み跡は一旦、北東に下った後、すぐ南西に向きを変え、黒瀬川支流の谷の手前でまた北東に向きを直す。断崖沿いのフェンスの先に鍾乳洞が開口している。

 

ルートが分からなければ、兎に角適当に南に斜面を歩いて行き、谷沿いに来れば、そこを下る。必ずフェンスに向けて下る踏み跡が現れる。「奈良の木」バス停からも徒歩で行ける距離。

因みに地元の教委に問い合わせた際、「道はない」と言われた。

 

(3)  大川鍾乳洞(大洲市)

洞長: 20m(奥行)

 

以前触れたように、洞の形状は室戸岬にある海軍レーダー基地の地下陣地に似ており、中心部にある、石柱や石筍が見られる広間からコースの向きが変わり、室戸陣地よりもきつい傾斜で上がっており、入口の斜め上方へと出る。その上りは装備なしでも簡単に登ることができる。

 

横穴の往復ではなく、こういう立体的構造の洞は探訪しても楽しい。

 

(4)  安森洞(鬼北町小松)

洞長:70m

 

安森洞のそうめん流しは全国ニュースで過去何度も取り上げられた位に有名。その水を取水している安森洞は、元々あった奥行が短かった「樽渕の水穴」を地元有志が8年かけ、手作業で掘り進んだもの。

 

各種鍾乳石が現れるのを期待して掘削したものの、殆ど現れなかった。そして掘削を終了して慰労会を開いた際食べた冷やしそうめんをヒントに、この洞窟の水で流しそうめんをすることを思いついたという。

 

鍾乳石は殆どないとは言え、山間を流れる川のように蛇行する洞穴と、ウォーターシューターのような流れを遡行して行くのは、冒険心をくすぐられる。

 

安森洞手前にも水流のある洞穴が開口しているが、こちらはすぐ奥で水深が深くなる(下の写真)ため、遡行は困難。その洞穴横の岩盤からは、ポンプアップされた滝が流れ落ちている(上の写真)。

流しそうめん期間以外は、安森洞入口の扉の針金を外し、照明の電源を入れる。期間内も期間外も入洞は無料。

 

穴神鍾乳洞、大川鍾乳洞、安森洞の探訪ガイド→南予の三ヶ所の洞窟を一日で探訪

他の四国の鍾乳洞ももっと紹介してほしい、という方は次のバナーをプリーズ・クリック

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