(1) 蔵福寺島トーチカ
南国市教育委員会が発行している掩体やトーチカ等戦争遺跡のリーフレット「掩体は語る」は何年かおきに改訂されているもようで、最新版には物部川沿いの蔵福寺島に残る「蔵福寺島トーチカ」が掲載されている。
南北に長く、南面に砲口、北面に出入口があり、側面は川石を貼り付けて偽装している。南北に長いのは、中に野砲を据えていたため。これは米軍が舟艇で物部川を遡ってきた時のために築造したもの。
戦後は農作業倉庫として使用されていたが、今は入口付近にクモの巣が張る等しているから、元の地権者は他界しているのかも知れない。
現在、数匹の野良猫が根城にしているが、人馴れはしていない。
トーチカの前に駐車スペースあり。
(2) 峰寺トーチカ
四国八十八ヶ所第32番札所・禅師峰寺(ぜんじぶじ)に上がる車道沿いに「峰寺(みねんじ)トーチカ」はある。道路に対して斜めに設置されてあり、東側は斜面に埋もれている。横幅3m少々、奥行1.5m、高さは2m半ほどの規模で南面に銃眼があるが、門のようになっており、銃眼から裏へ通り抜けられる構造になっている。
ここに展開していた部隊はブログや著書でも解説した、十市の栗山トーチカ群や片山鏡岩の片山トーチカ群で防備についていた陸軍第55軍第11師団43連隊。
禅師峰寺から栗山城跡、小南山にかけての尾根には夥しい数の塹壕や蛸壺壕跡があることは分かっている。
最新版の「掩体は語る」には他の地区にある未探訪の山中のトーチカも図示されているが、地図の縮尺が5万分の1のため、机上では同定できない。しかし丸一日かけて山中をくまなく探索すれば、探し出すことはできるだろう。が、現在、四半世紀以上確認されていないある山中の摩崖仏や新たな四国最大の滝と成り得る滝のルートを探索中である。
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