[ラッセン級の美しい「スターリーテイルズ」]
平成22年、愛媛県新居浜市の愛媛県総合科学博物館は世界最大(ギネス認定)、直径30mのハイブリッド・プラネタリウムを導入した。この機器は旧型プラネタリウムの10倍の明るさを持ち、投影できる恒星数は旧型機の 25,000 個から 65 万個にまで増加し、全天周デジタル映像の投映も可能となった。
ハイブリッド・プラネタリウム(大きさは各種あり)は’04年に開発され、全国各地の大型プラネタリウム施設に導入されてきたが、それら施設に配給されてきた全天周デジタル映像作品では名作も生まれた。これまで100万人を動員し、海外のアニメ賞も受賞したKAGAYAスタジオ製作の「銀河鉄道の夜」(原作:宮沢賢治)である。
製作会社の代表でデジタルペインティングアートの第一人者であるKAGAYA氏は賢治の故郷・岩手県花巻に何度も出向き、徹底的に取材と考察を重ね、賢治の不朽の名作の世界観を壮大なデジタルアート・アニメにし、世界の人々を魅了した。
KAGAYA氏は画集や写真集等も出しているが、その画力と美しさは、あのラッセンをも凌ぐ。彼が描く絵は夜空や自然風景は勿論のこと、女性、特にギリシャ神話に出てくる女神は女性も憧れるほどの美しさ。
その美しすぎる女神や雄大な自然、宇宙、星座を描いたギリシャ神話をモチーフにした全天周デジタル映像作品が「スターリーテイルズ」。これもかなりの人気を博し、再演する施設もあるほど。
全天周デジタル映像作品が普通の映画と違う所は、投影映像には立体的な動きがあるため、まるでテーマパークのアトラクションのような感覚を味わえる点。
例えばスターリーテイルズではペガサスの目線で大草原や古代の町並みを上空から見下ろすシーンがあるのだが、まるで座席がペガサスのすぐ横で飛んでいる感覚になり、その内、ペガサスを追い抜くと、座席がグライダーかジェットコースターのようになり、まるで風を直接浴びているような感覚になる。浮遊感覚があるのである。
未来の神殿のようなシーンでは、その神殿が映し出されている内、座席が神殿の中に入り、神殿が宇宙船のようになって飛んでいるような感覚になる。
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ただ、上映前のアナウンスでも注意されたように、このような作品を見ていると稀に酔って気分が悪くなることがある。但し「稀に」起こるのは一般の健康な者であり、当方のようなメニエール症を持病に持つ者や車酔い・船酔いを起こし易い者はかなり高い確率で気分が悪くなる。特に映像が横方向に流れるシーン。故に鑑賞前には必ず薬を飲用するように。
当方は帰宅後も少し酔いが残ったが、それでもまた見たくなるほど「スターリーテイルズ」は美しい。因みにナレーションは新居浜市の観光大使に就任している声優で紅白歌手の水樹奈々。「ハートキャッチプリキュア!」のキュアブロッサム役や「若おかみは小学生!」の秋野真月役等、数々の人気アニメに出ている。水樹の声もこの作品にマッチしている。
尚、主題歌はORIGAが歌い、サントラ盤は姫神が担当している。
誰もがこの作品を見ると♪ラッセンより 普通に KAGAYAが好きーっ ハーイ!♪と歌いたくなるだろう(?)。
愛媛県総合科学博物館ではスターリーテイルズを大晦日や来年1月2日も上映しているから、正月旅行の中に組み込むこともできる。上映は来年6月まで。→愛媛県総合科学博物館プラネタリウム
合わせて人気アニメ・ワンピースの「ワンピース プラネタリウム」も上映している。しかし麦わらの一味より星座や夜空に似合うのは「ハートキャッチプリキュア!」の方だろう。
”月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!”
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