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世にも奇妙な水没ペンション村と古墳(岡山と香川)

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<まるで津波や洪水後の如き幻想的風景>

岡山県瀬戸内市の牛窓地区の海岸沿いに、恰も津波後の風景のような「水没ペンション村」と通称される廃墟がある。一方、香川県坂出市加茂町の内陸部には、洪水後の風景のような「水没古墳」がある。特に前者は幻想的であり、御伽の世界のようでもある。

 

(1)グリーンファーム跡(水没ペンション村)

水没ペンション村は岡山県の廃墟マニアの間では有名だが、県外観光客等がこの道沿いを車で走行していて、この風景に出会うと、思わず車を停めて見入ってしまうほど、この世のものとは思えない幻想的な魅力を持っている。

いくつものバンガロー、ゴルフ練習場その他の施設群、公衆トイレ、車、道路標識等が皆、見渡す限り、床上浸水して水没しているのである。水面から出た白骨林にはカラスが大勢止まっており、「この世の終わり」感さえある。

実はこの一帯、東西約600m、南北200数十mはかつての塩田跡。現在の市販の地図でも陸地として描かれている。

‘80年代初頭、ここがリゾート開発され、ペンション村「グリーンファーム」が誕生した。

しかし’90年代に廃業、以後、廃墟となった。この地は塩田跡ということもあり、一定の間隔で敷地内の排水処理が必要だったが、廃業後、それが行われなくなり、次第に水に覆われて行き、’10年代前半、施設群が水没していった。

塩田周囲にはコンクリート道があり、水没ペンション村を周回することができる。その途中の海側の堤防沿いにある「カントリーレストラン」は水没を免れているため、一階の物置のような部屋には入ることができる。そこに数ダース、未使用の販促用マッチがあり、記念になるかも知れない。販促物は配布されるためのものである故。

 

(2) 鴻ノ池古墳群1号墳(水没古墳)

坂出市加茂町は古墳が多いが、特に山樋地区は狭い範囲に集中している。その中に5基からなる鴻ノ池古墳群がある。これは鴻ノ池という池の周辺に点在している古墳なのだが、1号墳から3号墳までは池の中にあるのである。

2号墳と3号墳は石材の一部のみしか池底で確認されていないが、1号墳は池の水位が極端に下がった際、玄室と羨道の間の石門である「玄門」の上部が姿を現す。

その姿はドルメンそのものだが、玄室や羨道部は池底深く埋没している模様で、確認はされていない。現地の案内板の写真は、池の改修時、水を抜いた際のものであるから、今後50~100年近くは全容を拝むことはできないかも知れない。通常の水位時は、ドルメンの天井石が水中に見える位。

尚、池の堤から続く歩道を南から南東に進んでいくと、木の葉の線刻画があるサギノクチ一号墳(入口は施錠)があり、そこから斜面をヤブ漕ぎして登ると二号墳がある。三号墳へはヤブ漕ぎ装備をしないと無理。

が、この地域最大の古墳は石室の全長が13mの綾織塚(穴薬師)古墳。こちらは玄室に自由に出入りでき、セルフ点灯式(ブレーカー型スイッチ)の照明も完備している。

 

上り口は鴻ノ池北の山樋石材の駐車場奥。周辺の古墳案内図は、鴻ノ池側の見学者用駐車場(小さな池を埋め立てて造成)に建っている。

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