[ジョン万次郎も通った海蝕洞]
前回、ミニ海蝕洞門三景を投稿したが、今回は自然の洞門の中で、道が内部を通り抜けているものを取り上げる。
(1) 鬼ケ城(三重県熊野市)
以前、東洋のスフィンクスこと、獅子岩
を取り上げたと思う(?)が、そこから1キロ少々の所に日本百景や世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に含まれている鬼ケ城という奇勝がある。
海蝕及び風食崖や太古の大地震で隆起した大岩壁が1キロに亘って続き、遊歩道が整備されているが、遊歩道が海蝕洞を通り抜ける箇所がある。
鬼ケ城バス停降車すぐ。但し、今でもバスの便があるか否かは要確認を。
以前、面河渓を上回る四国最大の渓谷がある旨述べたことがあるが、それがこの面河川支流の黒川に形成された7kmの柳谷キャニオン。但し、遊歩道がある区間は一部のみで、そこの渓谷は浅く、特に前半部はただの渓流のように思える。しかし遊歩道は洞門に下ってまた上がる等、変化に富んで面白い。
遊歩道終点には国の天然記念物、八釜の甌穴群がある。大小35個の甌穴群で、その中の8個が特に大きい。複数の滝も懸かっており、周囲に轟音を轟かせている。
遊歩道起点は柳谷小中学校南方の四国電力柳谷発電所横。駐車スペースあり。
起点に一番近いバス停は2キロほど北東の面三ダムバス停(国道33号)。終点に近いのは国道440号の八釜バス停。遊歩道が440号から八釜の甌穴群まで続いている。
(3) 以布利洞門(高知県土佐清水市以布利)
この洞門は廃道や廃墟マニアの間では、ある程度知られている。彼らの間ではこれは海軍が掘った隧道ではないかと噂
されていたこともあるが、実際は海蝕洞。藩政期の遍路道はこの中を通っていた。寛政12年の「四国遍路名所図会」にも触れられている。
今でも地域の生活路として利用されているが、高さが1.7mほどしかなく、背の高い男性は頭をこすってしまう。全長は二十数メートル。
尚、ジョン万次郎や、万次郎に随行して長崎に行き、龍馬とも交流を持った池道之助らもここを通ったことが想像される。
場所は以布利の天満宮西、以布利郵便局の道路を挟んだ南東。
以布利バス停降車すぐ東。
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