[受注生産で誰でも幻の名車を手に]
旧車マニアは周知のことと思うが、あの日本唯一のスーパーカー「トヨタ2000GT」とケン&メリーのスカイライン2000GT-Rが再生産されていることが分かった。
ただ、「再生産」という表現は正しくないかも知れない。2000GTの方は、正確には愛知県のレストア等を専門にしているロッキーオートという会社が、2000GTの開発者の協力を得て、最新の技術でボディ金型からインパネ、ホイルに至 るまで、トヨタのエンブレム以外の全てを忠実に再現した車で、正式車名を「R3000GT」という(右写真はロッキーオートのアメブロより)。「R」は多分ロッキーの略だろう。
エンジンは直列6気筒の「2JZ-GE」を搭載し、排気量はオリジナルに比べ、1,000ccアップした。パワートレインには「アクア」のハイブリッドシステム「THS-II」を採用。軽量ボディ+ハイブリッドでオリジナルではあり得ない実燃費41.1km/Lを実現。
気になるお値段は受注生産だけに当然高く、1,980万円(税別か税込かは不明) 。オートマとミッションの両方あり、今後ターボ仕様も展開していく予定だという。
オリジナルは’65年11月、第12回東京モーターショーに登場し、話題を独占した。翌年5月には日本グランプリ・レースに出場、10月にはスピードトライアル国際Eクラスで3つの世界新記録を樹立した。’67年の富士24時間耐久レースでも優勝した。その翌月、市販が開始される。当時238万5,500円で販売された。
‘67年6月に公開された007シリーズ第5作となる映画『007は二度死ぬ』では、オープンカーに改造され、ボンドカーとして登場した。
‘69年、若干のマンナーチェンジをし、’70年8月、生産終了。以後、「幻の名車」となった。私も走行している所は一度しか 見たことがない。
ケンメリの方は、同社が8代目スカイラインR32型のボディパネルを剥がして、ケンメリから型取りしたFRP製のボディパネルを組み込んだもの。エンジンはRB26ツインターボ4WD。正式車名はR3000GT-R(右写真はロッキーオートのアメブロより)。販売価格は税別で798万から。
オリジナルのGT-Rは、ご存知の通り、その原形は’72年9月、ハコスカからモデルチェンジしたGC110型スカイラ イン2000GT。翌年1月にハコスカ時代から血統を受け継ぐ2000GT-Rが発売された。GT-RはGTよりはるかに高価なため、当時、多くのGTやGT-XオーナーらがフロントグリルをGT-Rのものに換え、「偽GT-R」として乗っていた。
余談だが、ケンとメリーの二人は今、どうしているのだろうか。また、現代のGT-Rはなぜ、車名から「スカイライン」が消えたのだろうか。「GT-R」はニッサンの「もの」ではなく、スカイラインのものではないのか。
この2台は特に旧車ファンからの人気が高 いが、やはり同時代(流線型フォルムが流行った昭和40年代後期)、いや、全時代の全世界の車の中で私が最も魅力を感じる車はやはり、私の初代愛車、セリカ1600GTである。写真に撮ってないのが悔やまれる。日本に初めて「スペシャリティカー」という概念を取り入れた日本初のラグジュアリー・スポーツカー。キャッチコピーは「未来の国からやってきた」だった。バンパーとボディが一体化したその独特のデザインは他に
類を見ないほどセクシー。
基本ボディをベースに、ユーザーが自分好みのエンジンや内外装等をチョイスすることができた。また、それまで高級なスポーツカーにしか搭載されなかったDOHCエンジンを積み、その搭載車普及に貢献した。
レースでも活躍していたのに、スカイラインやサバンナ、フェアレディ等より評価が低いことは納得できない。
他にもコスモ・スポーツ、いすゞ117クーペ、ホンダ1300クーペ、フェアレディ240Z等、セクシーな車は多かった。これらが前記二車のように現代車として蘇れば、都会の若者の車離れにも歯止めがかかるのではないだろうか。
ランボルギーニ・イオタやフェラーリBBも現代車として蘇らせてほしい、という方は次の二つのバナーをプリーズ・クリック