[西予ジオパークから漏れた超古代遺跡]
数年前、西予市全体をジオパークとした「四国西予ジオパーク」が日本ジオパークに認定された。
日本ジオパークや世界ジオパークでは、ジオパーク指定区域の自然、歴史、文化、風土等あらゆるものをジオパーク関連物としてアピールできるので、観光効果も高い。以前紹介した河童の狛犬を擁す若宮神社も西予ジオパーク史跡となっている。
しかし残念ながら西予ジオパークに含まれなかった遺跡がある。それが三瓶町朝立台の「机石」と「鉾岩」。机石は3トンの上面が平らな石を上に置いたドルメンとされ、鉾岩は高さ約10メートルのメンヒルとされる。
ドルメン(卓状石)とメンヒル(立石)は、先史の巨石文明の祭祀遺跡と見なされており、愛媛県では大洲市(旧市域)に多い。実際、この机岩は供物台として何十年か前まで使用されており、鉾岩の遥拝所として、貴船神社(現在、国造神社へ合祀)が建てられていた。
一般的なドルメンは二本の脚石の上に平らな石が乗っているが、この机石は脚石が片方のみで、もう片方は地形を利用して設置している。
鉾岩は現在では草木に覆われているため、自然岩のように見えるが、数千年、或いは1万年以上前、何十トンもの岩を立てる土木技術がこの地に存在していたことになる。
因みに「台」という地名は机石の台石からきている。
一般的な考古学分野に於いても、台地区からは縄文式土器の破片や蛤型石斧、石皿等も出土していることから、三瓶町の中では最も早く人が住み着いたと言われている。
この机石と鉾岩は以前、西予市の広報紙に掲載されたこともあったが、地元でも知る者は少ない。私は地域住民5人に尋ねてようやく現地へ行き着くことができた。
[アプローチとコース]
路線バス利用時は宇和島バスの朝立バス停か、国道378号の大街道口バス停で降車する。マイカー利用時は三瓶港北側に駐車。
西予市三瓶支所北側の老人ホーム・みのり園北東角の四差路を北に折れ、右手に一軒の民家を過ぎると、「ちびっこ広場」が現れるが、広場北側の道路寄りに机石がある。
鉾岩は近くまで車で行くこともできると思うが、徒歩の方が鉾岩を見失うことなく確実に辿り着ける。
ちびっこ広場北側の空き家を過ぎると右手に小径が現れるので、これに折れる。
道はほどなく農道の急カーブ部に出る。その先の左手上には五輪塔や男根を模ったような石、ミニチュアのドルメンのような組石もある。これらは製作者や製作時期等一切判明していない。
その先のやや路肩が広くなっている箇所から再び畑の中を通る野良道を上がって上の農道へとショートカットした。
そのまま農道を横断できると思っていたが、小屋等が建っていたため、少し東に進み、入口に猪除けの柵が設置された、北東に上がる小道を辿った。
後はみかん畑の尾根を登るのみ。
PS:最近、旧葉山村と旧東津野村(未整備)の鍾乳洞を探訪したので、いずれ投稿したい。
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西予市の巨石信仰のドルメンとメンヒル
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