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日本一の水質・面河川源流の落差102mの御来光の滝へ

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愛媛県久万高原町から高知市へと流れる四国屈指の大河・面河川(仁淀川)が国の検査で日本一の水質に認定されたことは以前述べた。面河川は愛媛・高知県境からやや西方の河川管轄が変わる箇所で仁淀川と名を変える。

 

一般観光客が探勝できる面河川の最上流部は四国一の渓谷・面河渓だが、登山愛好家や沢登り愛好家は源流域に懸かる愛媛県第三位の落差を誇る巨瀑・御来光の滝まで行くことができる。現在は降雨が少ない日が続いているため、水量は少なく、滝の真下に立つとミストシャワーを浴びることができ、気持ちいい。

因みに昭和期、御来光の滝の落差は87mとされていたが、「日本の滝百選」選定時、計測し直されたのかも知れない。

 

御来光の滝探勝路は面河渓の上流にあるため、当然そこに至る川は渓谷状となり、甌穴や複数の滝もあり、水は「仁淀ブルー」ならぬ「面河ブルー」で美しい。ただ、現在の9月上旬は日差しが強く、且つ、木陰が川面に映っているため、きれいな写真は撮り辛い。

 

そんな滝だが、昭和後期までは面河渓から探勝路が続いており、ハイカーや体力のある行楽客でも探勝することができた。が、その後、度重なる台風や砂防ダムの建設等で2kmほどの区間の探勝路が消滅や廃道となっている模様。現在の探勝路起点は石鎚スカイライン沿いの御来光の滝展望所(長尾尾根展望所=上の写真はそこから見た御来光の滝)で、そこから北東約200mの地点の右カーブに建つカーブミラー部(下の地図)が川への下り口になっている。そこから高度に於いて300m急下降する訳だが、帰路は身体に堪える。

 

急勾配の尾根には「踏み跡」というよりは立派な登山道がついており、スズタケのヤブはきれいに刈られ、所々ロープも張られる等、完璧に整備されている。

登山道は川の砂防ダム側に下り、そこから左岸沿いを少し遡った後、渡渉する。進路には赤テープやピンクのマーキングテープが付けられているので、迷うことはない。

 

最初に現れる景勝は地形図にも記載されている七釜(上の写真)。ここは七つの甌穴が連続している所で、各甌穴は滝状の流れで繋がっていることから、「七釜滝」と呼ばれることもある。付近の川床は「千畳敷」と呼んでもいい位、平らで広大な岩肌が広がっている。

 

二番目の見所「犬吠谷出合の滝」(下の写真)と三番目の見所「魚止ノ滝」(本流の滝で地形図にも記載あり)は、探勝路からでは木々が邪魔になり、写真には収まりづらい。その付近の探勝路はやや高所を通っているため、よく見ようと思えば木々に掴まりながら斜面を下りて行かなければならないのだが、御来光の滝まではスカイラインから3時間はかかると見ていたため、横目で通り過ぎる。尚、「犬吠谷出合の滝」とその上流に懸かる「犬吠の滝」を混同しているブロガーが殆ど。

 

南沢(南尖峰南方の谷)出合の滝は斜めの岩盤を流れる落差数メートル程度のもので、そこを過ぎるとほどなく両岸が切り立ったV字峡の「石門」(下の写真)が現れるが、この手前が最後の渡渉地。

ここから先、地形図を見ても探勝路上の斜面が急峻になっていることが分かるが、いくつもの支流を渡渉する際、ロープを掴みながら傾斜のある川床岩盤を渡って行く。途中の石鎚山面河コースへ連結する道の分岐には気づかなかった。

 

展望所駐車場から弁当やドリンク休憩を入れて約3時間で御来光の滝に到着。てっきりかなり手前から轟音が轟いているだろうと思っていたものの、今の時期、水量は少なく、視認するまで滝の存在に気づかなかった。

 

巨大な安山岩を斜めに走る柱状節理の岩盤から滝は落下しているが、展望所から遠望できた全景は拝めず、下段の滝しか見えない。滝壺もなく、周辺にミストシャワーとなって飛散している。それでも巨瀑であることには変わりないので、3時間かけて来る価値はある。

 

当方はよく滝の下付近の岩に寝そべることがあるが、帰路もコースは起伏があり、最後には高低差300mの上りがあり、且つ、石鎚スカイラインのゲートが18(9月からの時間)に閉門されることから、長居はできない。その高低差300mは帰路、何とか1時間で登り切ることができた。

 

因みにこの翌日は土佐清水市の波打ち際に落ちる滝を探訪した。規模は武市伸幸氏が著書で紹介している市内の同様の滝の半分以下だが、その滝よりも波打ち際に近いため、その意味では探訪のし甲斐がある。そして四国のみちを繋ぐ回遊ルートも見出した。来週以降に紹介したい。

 

他の浜辺の滝や愛媛県第二位の落差の滝も探訪してレポートを公開してほしい、という方は次の二つのバナーをプリーズクリック。

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